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ガラスの特性

  • ガラス

ガラスとは、鉄や水といった物質を表す言葉ではなく、固体や液体といった状態を表す言葉です。ではガラス状とはどのようなものかというと、一般的には非常に粘度の高い液体といわれます。例えば、水飴を冷蔵庫で冷やすと硬くなります。この非常に硬くなった状態が、普段見ているガラスにあたります。

ガラスの分子構造イメージ図

  • 固体

物質の三態のひとつで、定まった形を持つ状態をいいます。融解・凝固する際には熱の出入りを伴います。

固体の分子構造イメージ図

  • 液体

物質の三態のひとつで、定まった形は持たないが圧縮に対する体積変化がほとんどない状態をいいます。物質によっては凝固点以下でも液体のままの過冷却になることがあります。

液体の分子構造イメージ図

  • 気体

固体、液体に比べ密度が非常に低く高い流動性を示す状態です。温度や圧力に対し大きな体積変化をします。分子運動は活発で、分子同士は結合していません。

  • 液晶

液晶もガラスと同じように状態を表す言葉です。しかし、ガラスとは違い、流動性がありながら結晶のような規則的な構造を持ちます。この性質を応用し電気的に制御したものが液晶ディスプレイです。

液晶の分子構造イメージ図

  • 絶縁体

大きな電気抵抗を持ち、ほぼ電流を通さない物質です。この代表的なものがガラスやプラスチックです。ただし、表面に静電気をためる性質があり、誘電体とも呼ばれます。

  • 導電体

電気抵抗が小さく、電流をよく通す物質です。金属は導電体ですが、金属の酸化物は絶縁体になるものもあります。

  • 半導体

電気抵抗は導電体と絶縁体の中間くらいですが、微量の金属等を添加することにより電気的に偏らせることができ、半導体素子として電子部品に利用されています。

  • 真空

圧力が極端に低く、空気などがほとんど存在しない状態をいいます。そのため酸化などの劣化を防いだりするために利用します。

  • ハーメチックシール(気密封着)

半導体素子などの酸素や光によって劣化してしまう電子部品や、真空管や光電子増倍管などの真空の特性を利用する電子部品などを密閉することを封着といいます。高度な真空が必要な場合にはガラスによって封着しますが、ケース、封着用ガラス、リード線このすべての熱膨張を調整することにより、高い気密を保つことができます。

一般的な気密封着半導体素子の断面イメージ図

  • 熱膨張係数

温度変化に対してどの程度伸び縮みするかを数値で表したものです。ガラスでは10-7/℃の単位が一般的に使われます。封着用のガラスはリード線やケースの金属と熱膨張係数を合わせる必要があります。熱膨張係数はα(アルファ)とも呼ばれます。

  • 硬質ガラス

ガラスは急激な温度変化に対して、熱膨張による歪で割れてしまうことがあります。これを解消するために熱膨張係数を小さく抑えたガラスを硬質ガラスといいます。一般には耐熱ガラスと呼ばれているものです。よく知られた硬質ガラスにパイレックス®があり、熱膨張係数は32×10-7/℃です。

  • 軟化点

ガラスが流動性を示す温度を言います。ガラスは粘度の高い液体と考えられていますが、軟化点以下では外力に対して割れてしまいます。ガラス焼結においては軟化点付近で焼結することによって、ガラス粒子同士をくっつけています。

  • 転移点

ガラスの分子運動が制限されるようになる温度のことです。ガラスを液体状態から冷やして、凝固せずに固形になることをガラス転移といいます。結晶を構成しないため大きな体積変化や熱の出入りがありません。冷やし方により転移点は変わるため、目的に応じて除冷や急冷することもあります。

  • 結晶化ガラス

ガラスは非晶質ですが、ある種の結晶核を混ぜ、温度管理することによって結晶を成長させることができます。これにより軟化温度でガラスの形成をして、結晶を成長させて高温に耐えるセラミックに変化させることができます。


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